函館税関がまとめた昨年の道内輸出総額は6年連続で増え、昭和54年以降、最多の金額となったが、稚内港は輸入も合わせ24億8000万円と、前年の37%にまで落ち込んでしまった。一昨年12月発効の日本とロシアの活カニ密漁密輸防止協定によるものである。
 今月の三水会講師は伊多波稚内税関支署長で、「北海道と稚内の貿易動向について」と題して講話した。稚内の税関業務の歴史は古く明治30年の監視所設置が始まりで、昭和21年に留萌の出張所として再開され22年支署に昇格。23年道内7番目の港として開港した稚内港の税関態勢が整った。ロシアのカニ漁船・運搬船の入港ラッシュが続き平成9年には年間4292隻もの船舶が入港し、昨年末で5万2282隻と全道1であることを聞き現状はまさに隔世の感の思いをしている。
 稚内港には今、せいぜい20隻程度入港するくらいで、他は協定のない韓国や中国に入港しカニを卸しているようである。自国のカニ資源を守るためとしプーチン大統領肝いりで締結された日ロ間協定を尻目に、日本以外の第三国で罷り通っている密輸?の実態には漁業者や貿易業者などの思惑が絡むにしても日本、ロシア両政府ともジレンマはあろう。プーチンの言う「資源を守る」が遵守されていないからである。
 伊多波署長は日ロ定期航路についても言及し「ばたばたせず長い見通しを立て臨んでいくべきであり、税関として協力できることがあれば力を貸したい」とも述べていた。
 昼飯を食べるだけでない三水会の存在価値を改めて認識した。