斉藤マサヨシ(正良)さん(61)が札幌でこれまで何度も足を運び撮ってきたサハリン州にある旧豊原町(現ユジノサハリンスク市)役場、旧日本海軍の基地などの写真展を開いている。
 40年ほど奉職した市役所を昨年春に退職し好きだった写真家の道を志したといえば一念発起したリタイア組の印象を持つが、元々写真が趣味で市の広報課職員の時には彼が撮ったイベントの写真を本紙なども掲載させてもらった。
 そして何よりも筆者とは高校同窓であり、亡くなった奥さまにも喫茶店をやっていた頃お世話になったという間柄ではある。
 自宅が坂の下といわれる西浜にあることもあり日本海側の西海岸で撮った夕陽の美しさ、秀峰利尻富士の雄々しさ、植物の可愛らしさ等々、多ジャンルの被写体を相手に唯一無二ともいえる“斉藤ワールド”を築き、更にはサハリン詣ででの戦前~現代までの時代を写すかのような建物や自然などの写真は鑑賞する人の胸を打つものがある。敵をつくらぬ温厚な人だが、写真にはただ写すというだけでなく彼の情念の激しさも垣間見える。
 夫々の職場で働いてきた同窓生もリタイアの時期を迎え第2の人生で刻苦勉励しているが、彼のように好きなことを出来る人は何人いるか。恐らく一握りであろう。
 30年ほど前、斉藤さんと菱沼重幸さん(故人) 、青山隆一さんと筆者と4人で飲んだ折、特段語ることなく静かに時が過ぎていったのを覚えている。絵と写真、文筆と互いに認め合った空気がそこにはあった。