大相撲春場所で横綱白鵬関が4場所ぶり36度目の賜杯を抱いた。千秋楽結びの日馬富士関との横綱戦を制し追いすがる稀勢の里関を振り切っての優勝だったが、立合いで変化しての勝利には後味の悪さが残った。
 観客は正直なものである。罵声を浴びせるのならまだしも、潮が引くように大勢の人たちが桟敷から出口に向かう。普段は優勝力士を称え大勢残る観客が去って行く様子をテレビで見ていてつらつら思ったのはサイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)の正直な、というより恐ささえ感じた。横綱らしい堂々とした戦い方をしなさいという角界ファンの抗議だったのだろう。
 サイレント・マジョリティーというのは選挙戦で“無党派”とも呼ばれるか。違う感じはするが、いずれにしても日本人の意識を探る意味合いからもかなりのキーワードではある。彼・彼女らの投票行動によって日本の政治、いや現在進行中の米大統領予備選でも大きなうねりとなって各候補をのみ込もうとしている。
 4月の衆院補選、7月の参院選も一部議員の言動により自民党へのしっぺ返しがあるやも知れず、政治家そして政党の方々は油断なさらぬように。
 話を白鵬関の優勝に戻し、インタビューでの涙は卑怯ともいうべき立合いの変化での優勝を自身が一番悔やんだものであり、まだ30歳そこそこというのに角界を支えている矜持を感じ立派な横綱に讃辞を送るものです。
 大相撲ファンにも響いただろう白鵬の涙。これだから大相撲観戦はやめられない。