元々、大した頭ではないが、還暦を過ぎ記憶力の減退を感じることが多くなった。年のせいにしているが、実際、顕著になりだしたのは50歳を過ぎた頃からであり、若い時分に精一杯頑張らなかったツケかも―と思わないでもない。
 今年で本紙は創刊66年目を迎え4年後には70周年という節目を迎える。筆者が入社した時分には創業者の前田彰翁が健筆をふるっており「天北堆」にいぶし銀の味を出し読者から快哉を浴びていたが80歳を過ぎていた。老いて益々盛んな前田さんを見ていて強く思ったのは「人間は年で推し量れるものでない」ということだった。
 読者の皆さんも夫々の仕事に勤しんでいるだろうが、一番大事なことは自分の与えられた仕事を精一杯やることであり、今それなりの立場にいる人は真面目にやってきたためででしょうから、その精進には敬意を表する。
 とりわけトップの方は折々で決断を迫られるので結果が吉か凶かで悩むだろうし、会社の業績、社員教育など呻吟すること多々あるだろう。誰も助けてくれることもなく孤独に耐えながら突き進まねばならぬことには同情申し上げる。
 会社にとって従業員の協調性と団結性は大事なことだが、トップは全体を俯瞰しなければならない立場でもあるので、協調性を金科玉条のごとく思っている人には向かない役所といえなくもない。
 シャープや東芝を見ていて乱世には無理な人が社長になっていることも悲劇が増幅される一因といえるか。
 孤独に耐えられることもトップになる資質として欠かせない。