稚内商工会議所主催の新春経済懇談会で、仕事の都合から最後にあった稚内開建部長の小松正明氏の講演だけ聴くことができた。
 この方、道開発局奉職ながら静岡県掛川市の助役、釧路市副市長と2回各3年、地方自治体に勤めた経験があるという変り種と言ったら何だが、幅広い経験の持ち主であり、個人的にも相当の期待感を持って臨んだ。
 稚内開建部長として第8期北海道総合開発計画など開発行政を主体に話す中、掛川市の昭和60年当時の新幹線駅の請願での件では総工費130億円の30億円を地元負担として拠出することになり家庭に10万円、会社に100万円もの寄付を集め達成したとの話には痛快なものさえ感じた。
 更には「都落ちは悪いのか」という問題提起もし〝向都離村〟から〝選択定住〟の時代に来ているとし、都会偏重の社会への疑問も呈し、「認知」から始まる一般国民の行動パターンにも言及していた。
 間宮林蔵や松田伝十郎の話をし、最後に愛娘があのスタジオ「ジブリ」に200倍という大難関を突破し採用されたという話は特に興味深かった。
 採用後に娘さんが尋ねたところ、採用した4人(応募800人)は全員地方出身で「地方の風を感じさせる人たちだった」と答えたという。実に示唆に富む選択法であり、小松さんが娘の自慢話でなく参会者に伝えたかった真意も悟ることができ、この最後の話を聞くだけでも個人的には収穫だった。
 その夜も建設協会新年交礼会で挨拶したが、開建部長としての挨拶に終始した。