日曜の夜9時からのNHKスペシャルはほとんど欠かさず視聴している。6日放送の高齢者の無認可介護施設を見ていて痛切に感じたのは国の高齢者政策の誤りであり、行き場のないお年寄りたちを国はどうしていくのかという、いずれ我が身にも降りかかってくる老後の心配であった。
 安倍総理は「1億総活躍社会」実現の手立ての一つとして介護職の離職ゼロを掲げている。急がなければならないことだが、それ以上に認可施設にさえ入れない高齢者の看取りを国としての係わり方への方策が見えないことで、これまで日本の発展の一翼を担ってきた高齢者の行き場のない実態がここまで来ているのか―と唖然としてしまった。
 それにしても国の無為無策には呆れる。長寿社会を迎え、それに見合うだけの老人ホームを作るのではなく在宅介護を高齢者介護の中心に据えたというのだから定見のなさには驚く。恐らく高齢者が自分の家で家族に看取られ終える―という幸福に溢れた社会を想像したのだろうが、さに非ず核家族化の進展もあり子どもとの同居も至難となり、とはいえど1カ月25万円もかかる有料老人ホームなどに入れる金持ちがどれほどいるものなのか。
 政策の叩き台を考えた官僚にも年を取り認知症に罹ったり身体が動かなくなることは予見できることであり、自宅介護の難しさは分かっていたはずなのにである。
 貯金、年金などで心配なく老後を送れる高齢者はどれほどいるのか。政治家は少し国民の生活実態を知らなければ、その資格なしといえよう。