北の湖理事長というより横綱北の湖の突然の訃報に驚いている。
 36回目の優勝を逃した白鵬が対戦相手の眼前で両手をパチンと叩く猫だましの奇襲をした翌日の新聞に「横綱としてするべきものでない」との苦言が載っていただけに、驚きを通り越し悄然として声も出ないというところです。
 昭和28年生まれの「花の28組」と言われ、筆者とも同年代で道産子ということもあって現役時代は応援した。大鵬のようなヒーローではなかったが、勝った時の「どうだ」というふてぶてしさとも取れる様子と、負けた時とのギャップに人間らしさを感じた力士であった。
 理事長職も一旦は角界の不祥事で辞めるも再登板という異例なことになったのも、余人をもって代えがたい絶大な人望と見識などがあったからであろう。
 62歳という若過ぎる死ではあるが、角界に輝く金字塔を打ち樹てたのは違いないことであり、御冥福をお祈り申し上げるものです。
 同年代の死に心中穏やかでないところがあるが、筆者は出席叶わなかったものの定山渓で開かれた高校の同期会でも何人かの物故者がいたそうだ。
 親戚や友人・知人、同年代の人たちの死はずんずん堪えるようになっており人生の虚しさを感じるも感傷に浸っているわけにはいかず、命ある限り懸命に生き己々に与えられた使命を全うするようしなければならない。
 会社の一室で原稿を書く中、戸外の雪の舞う様子を目にし改めて冬を迎えたことに暗澹とするも「負けてはいられない」という気持ちも湧いてくる。