今年は灯油が昨年に比べ3割ほど安く、稚内は1㍑70円ほどまで下がっている。本格的な需要期を控え家計は大助かりだ。
 稚内では低所得の世帯など対象に1世帯で90㍑を無償支給している。今冬も同じ数量で〝福祉灯油〟を実施することにし来年1月下旬まで支給の申請を受付けているが、他の町では灯油価格が下落していることから取り止めたり支給量を減らす自治体もあるという。
 3割安くなっているのだから、それに見合う数量を減らせばいいのに思うのだが、財政が決して楽でない自治体の中には渡りに船とばかりに支給中止を決めた所もあるようだ。
 稚内市の場合、1㍑80円としているので金額にして1世帯7200円の支給なのだが、申請世帯が多ければ多いほど財政を厳しくする一因となる一方、福祉の充実という観点からはやっていかなければならない施策であり悩ましい所がある。
 今、消費税増税での軽減税率の食品の線引き論議が喧しいが、塵も積もれば山となる式の税体系だけに国としても確固とした姿勢を貫けないのだろう。福祉灯油打ち切りの自治体の方針も財政事情から止むを得ないにしても弱者切り捨てとの謗りは免れまい。
 稚内での福祉灯油の歴史は古く昭和56年からで、当時2度に亘る沖底漁船減船、旧国鉄の広域異動などによりマチの経済が疲弊する中、浜森市長の号令一下実施されたのだろうが、浜森さんを師と仰ぐ工藤市長にとって弱者対策は市長就任の原点であり、来年度以降も福祉灯油はじめ諸施策を果断に行って戴きたいものである。