稚内は

 道防衛局主催の防衛セミナーは24日午後、文化センターで開かれ、国の防衛政策のシンク・タンク(頭脳集団)である防衛研究所の兵頭恒治地域研究部長は「宗谷海峡が目の前にある稚内は今まで以上に重要な場所になるだろう」と、ロシアそして中国との関係から言及していた。
 道防衛局は日本の防衛の諸施策について道民に理解してもらうため平成19年から同セミナーを開いており、32回目にして初開催の稚内でのセミナーには工藤市長はじめ50人ほどの市民が参加した。
  「安全保障から見た隣国ロシア」と題し講演した兵頭さんは「ロシアは北極海とオホーツク海を影響圏にしようとしている中、北極海への進出が激しい中国には神経を尖らせており、北極海沿岸港に廃止した司令部を設置し監視を強めている」と、中国艦船の北極海、そして通り道になるオホーツク海、宗谷海峡の通過は歯止めをかけなければならないと考えているとした。
 ロシアと日本の関係は北方領土問題など膠着状態にあるが、首相ら首脳クラスの北方領土訪問はロシア特有の硬軟両面での折衝術であり日本に対しはそれほどの敵愾心はなく、一方、中国に対する潜在的不振感は相当強いものがあるとした。
  「宗谷海峡が目の前にある稚内は地理学的にも今後、更に重要な場になるだろう」と最後に述べていた。
 続いて空自第18警戒隊長兼稚内分屯基地の藤原弘常司令は、昨年の自衛隊機のスクランブル発進が943回と昭和59年の944回とほぼ同じだったことのほか、稚内分屯基地の防衛的役割と災害対処について講話した。