おっちょこちょいというのか幼い頃から物を忘れてしまうことが比較的多いほうだったが、近頃は物忘れ、とりわけ人の名前を失念することが多く、社員の名をも忘れてしまい出てこない時がある。
 プロ野球はペナントを制したソフトバンクとヤクルトがクライマックスファイナルも圧勝し、24日から日本シリーズが始まる。敗戦の将となったジャイアンツの原監督が退くことになりDeNAもラミレスが新監督となり阪神も…。その名前が出てこないのだ。兄貴と慕われ死球を受け骨折しても翌日出場しヒットを打った、あの選手である。ここまで書いても出てこない。
 広義に物書きをしていて人の名前や食べ物、施設などの名称を忘れてしまうのは、その役に当たらないということになり60歳定年というのは言い得て妙というのか、人間の脳活動が終焉を迎えたということになるのか。
 60歳を過ぎても見た目にも若く見えるのか他人は「まだ若いのでこれからですね」などとお世辞を言うが、頭と身体の綻びは各所で出てきており、とてもじゃないが若い時のようにはいかず、40、50代の頃と比べても衰えは隠せない。
 昨日、掛り付けの開業医の所に9カ月ぶりに行くと、前の患者さんが先生から「お若いですね」と言われたのを待合で聞き、診察を終えた男性を見ると顔はツヤツヤしていた。先生の問いかけに「コンブは終わり今はタコです」と答えていたので漁師のようで70代後半以上と見えた。
 日一日と冬に向かい頭も冴えてくる季節なのだが、あの〝兄貴〟の名が思い出せない。