30年近く取材先としていた国と道出先機関が入る庁舎を若手に回ってもらうようにしたため、朝の早いうち市役所周辺など街中を歩きアーケード街を通る時の寂寥感は昔の華やかりし頃を知っているだけに寂しさが募る。
 子どもの頃、恵比須地区に住んでいた筆者にとって「街に行く」というのは中央のアーケード街であり、高林百貨店でラーメンを食べ親からは決して買ってもらえないオモチャを見て過ごすのが楽しみだった。
 そのアーケード街の一角に60年近くに亘りある北海道銀行(道銀)稚内支店が来年にも移転改築する計画にあるという話を聞くに及び、更に寂れてしまうのだろうとの思いを強くしている。シャッター街と化したアーケード街の将来に思いを寄せる時、中心街なだけに商店街だけでなく市や商工会議所の関与も大事になるだろう。
 稚内駅周辺から市役所までの中央地区は稚内の顔というべき地域であり、稚内駅改築に伴いキタカラを建設するなど再開発事業を行ったが、更にアーケード街再開発にも着手する必要があろう。
 ふんどし町ゆえ致し方ない点はあるものの食品スーパーや百貨店などは点在し、マイカーを使える世代ならまだしも高齢の市民には買い物もままならず、そのような弱者を救おうと移動スーパーが運行を始めたのは記憶に新しいところだ。
 ぽつんぽつんと店舗が点在するのでなく「あそこに行けば何もかも用が足りる」との地域となる要素が大いにあるアーケード街をこのまま放っておくのは勿体ない。
 市民英知の集積を。