労働市場が好転している。稚内職安管内(稚内、豊富、幌延、猿払、利礼3町、天塩、遠別)の8月有効求人倍率が1・03倍と、平成になり初めて1倍を超えた。
 1倍超えというのは求職数を求人数が上回ることであり、数字上は引く手あまたに好転しているようだが、実状はというと職種ごとの片寄りが見られ、求職者と募集する企業側とのミスマッチが顕在化している。
 昭和40、50年代の、好景気だった頃は求人倍率1倍超えもあったかも知れないが、稚内職安が現在調べられる限りでは初めてのことで、職種の片寄りという点では看護師・保健師など、建築・土木・測量技術者、保育士・福祉相談員など専門的・技術的職業と、給仕・接客のサービス業の求人難は深刻なものがあり、これら専門技術職は求人142人に対し求職43人と99人の開きがあり、サービス業も求人183人に求職78人と105人もの違いがある。
 他方、事務職や軽作業には求職が殺到しており、全く逆の〝100人開き現象〟を呈している。
 職安では「離職が少なく求職者が減少している」と説明しているが、正鵠を得たものとはいえず、医療関係と建築関係の人手不足は著しいものがあり、医療では職安を介在しての求人とならない医師含めると半端でない求人難状態で、地域医療の崩壊も現実味を帯びるほどの雇用状況といえよう。
 職を求めて転出する人たちもおり、このままでは適正な社会形成も危ぶまれることになるのでは。杞憂ならいいのだが。