寺本組合長

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大筋合意により、稚内農協は危機感を強めている。
 乳製品など重要5品目の関税撤廃をしないとの国会決議があった中での今回の合意について、寺本組合長は「関税がまるっきり撤廃されるわけではないが、これから農業を目指す若い人たちの夢を打ち砕く内容」とし、バターなど輸入枠が拡大し外国産の安い乳製品が入ってくることでの価格競争について「コスト削減など努力しても限界がある。安い物が入ると加工する必要がなくなり、生乳も売れなくなる」と将来の酪農産業への不安を口にした。
 現在、稚内農協では約70戸の搾乳農家がある。今回の合意で今直ぐに離農する人はいないだろうが、将来的には投資せず自分の世代で辞めて跡継ぎさせないという後継者問題を一番の不安とした寺本組合長は「地方創生といわれるがそれから遠ざかっており、農業の夢を無くす合意。勇知や増幌地区など何戸か離農してしまったら地域として成り立たなくなる。マチを形成する上で近隣の農家があり、それに関わる人がいて産業が衰退していくとマチが小さくなっていく」と話していた。
 国は合意による対策本部を設置し農業支援を進めていくとしているが「将来に向けしっかりとした対策を進めてほしい。我々からの要望もこれから中央に出したい」と話していた。