自分のことだけでなく他人のため、子どものため、稚内のために頑張っている人たちがおり、音楽関係の活動で知られるTさんもその一人であろう。
 あの元気な声を聞くのは何カ月ぶりのことだろう。12月13日に開催されるウインターコンサートへの本社の後援をお願いする電話があり、その中で「若い人たちが好きになるようなマチにしましょうよ」と情熱的に話すのを聞いた時、少女のような心から発せられる言葉に今更のことだが、稚内にとってなくてはならぬ人と思った。
 第九市民合唱団の指導をし、何よりも〝天使の歌声〟を10年以上もやり牽引している姿には女性ながら(失礼かな)あっぱれなところがあり、個人的にも敬服している方々のお一人である。
 今、稚内など地方都市は少子化も相俟って人口減少が止まることなく寂れる一方で、この過疎化対策として為政者は経済面を中心とした活性化策を模索する嫌いがあるが、そんなことよりマチを好きになる子どもを育めばマチに住み結婚し家族を作るでしょ。そうすれば人口なんて減らないわ―という彼女の考えには我々男どもにはない打算のない純粋な気持ちが伝わる。
 現実問題として稚内が好きでも学校が、働き口がなければ地方に出てしまい、これといって何の理由もないのに人口流出は止まらない。それでも故郷が好きなら何かあった時Uターンすることもあるだろう。
 東京や札幌など大都会はお金がなくては住みにくいものだが田舎は食扶持さえ稼げればどうにかなる。そういう稚内にしなくては。