平和の鐘を鐘打する川名正洋さん

平和の鐘を鐘打する川名正洋さん

平和を願い燈篭を並べる市民

平和を願い燈篭を並べる市民

 乗客・乗員269人全員が犠牲になった大韓航空機撃墜事件から32年が経った1日、稚内市子育て推進協議会主催の第28回稚内市子育て平和の日記念式典が宗谷岬平和公園で開かれ、参列者は犠牲者の御霊に敬けんな祈りを捧げた。
 遺族や市内の児童生徒ら約250人の参列者を前に、工藤市長が「これからも子育て運動を展開する中、子どもたちや市民の皆さんに平和に対する意識を更に高め身近なものとして平和の輪を広げていきたい」、遺族会を代表して当時20歳の兄の広明さんを亡くした静岡県三島市在住の川名正洋さん(49)は「二度と悲惨な事件が起こらないよう皆さんが学んだことを発信することで世界平和に繋がる」などと挨拶した。引き続き市連Pの松下睦子さんが子育て平和都市宣言、稚内市校長会の鎌田東小校長が子育て平和の意義を述べたあと、中央小6年田邊真里君ら児童生徒の代表6人が平和への決意を表明し祈りの塔の鐘を鐘打した。
 夜には北防波堤ドームで稚内市子育て平和祈念の灯が灯され、事件で犠牲者の御霊を慰霊した。
 遺族や実行委員、市民ら100人余りが参加した中、工藤市長は「この悲劇を風化させず、事件を通してこのマチから世界に平和を訴え続けていきたい」と挨拶。田中俊美実行委員長が「悲しい事件を受け制定された子育て平和都市宣言を更に磨きをかけ光輝かせることを誓い、皆さんでロウソクに火を灯しましょう」と述べ、参加者全員でドーム内に設置された200基と市役所前庭の50基の燈籠に火を灯し、悲惨な事件が二度と起きないようにと恒久平和を願っていた。
 川名正洋さんは「事件当日が兄の誕生日でした。稚内に来ると兄に会えるような気がします。32年が経ちあの事件を知る人が減っていますが、平和を訴える式典を続けてくれる限り参加していきたい」と話していた。