8月は終戦の月である。今年は戦後70年目という節目の年を迎え10年ごとに出される日本国総理大臣による談話が注目されている。
 20年前の村山総理は旧日本軍の侵略戦争に関し痛烈な反省の意を表し係累する全ての事柄にも誠の陳謝を繰り返し、10年前の小泉談話も近隣各国に対し反省と陳謝をにじませる内容に終始した。
 靖国神社に参拝するなど、とかく右翼的な発想の持ち主とされる安倍総理はどのような談話を発表するのか。中国や韓国は耳をそばだてるだろう。一国の総理として個人的な思いは棚に上げた内容にしなければならない。
 要らぬ波風は立てるなということである。
 戦争というのは人間が互いに殺し合うものであり理不尽極まりないものであるが、自国の利益のためには侵略もし多くの人を殺戮するのも厭わないという人間の究極の姿を如実に示すものでもある。
 戦勝国が戦後をリードし敗戦国をずたずたにしてしまうものだが日本を占領した米国など連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策はそれまでの日本人を根幹から変えるもので荒廃した国土から日本人を立ち直させる役割を果たした。
 高度成長期を経て経済発展だけを錦の御旗にし突っ走ってきた日本人。どこかに元来、日本人が有していた美徳を忘れ去ったかのようにカネの猛者になってしまった。
 同じ敗戦国のドイツはナチスの戦争犯罪を避けて通らなかった。それに対し日本は真摯に向き合ってきたか。高度成長に浮かれ日本人の美徳を忘れ去ったツケが今出ているような気がしてならない。