過日、読者の方から10数年前の稚内大火などのことやらを教えたいと電話があった。
 この男性は大火当時は別な業種の会社に勤めていたが、以前、プロパンガスを扱う会社にいたことから、「これだけの火事になるとプロパンの爆発が心配だ」としてタンクを外す作業をし、その後片付けは近くにいた高校生に手伝ってもらったそうだ。
 怨みつらみの多くは語らなかったが「ひと言感謝の言葉を言ってほしかった」と、20分近い電話の最後に語っていた。
 夕方を過ぎていたので一杯やっていたかも知れないが、10数年前の大火のことを話すのだから電話をくれた時に何があったか知らねど相当悔しかったのでありましょう。
 今回の件は小社への投書、電話の一例に過ぎず他にも多くのと言っては語弊あれど結構な意見が寄せられる。
 公務員と違い新聞社など守秘義務はないものの、準なる守秘義務というのか、人様の秘密など知る機会が多い職業として矢鱈喋ったりするのが出来ないのは勿論である。
 社員、とりわけ記者に言っていることがある。「他人のことを書くのだから自分は色々な意味できれいでなければならない」。
 他人のことを書くのに記者自身が罪を犯すまではせずとも人間としての最低限のことを守っていなければ、仕事は務まらないだろう。自分が一杯汚れているのに他人のことを書くなんて片腹痛い。
 世の中には善人面した人は少なくないと思う一方、立派な人も少なくない。人を見極める能力もマスコミ人には必要条件だ。