政治家はその言動で出世し、その言動で職を辞する時もある。石破大臣の講演とパネルディスカッションの話を聞いていて痛烈に感じたのはエリートコースを歩いてきた割には一般庶民の心持を理解しているということであった。
 石破さんは、これまでも地方再生に取り組まなかった内閣はなかったとしたが、今の状況は大きな人口減社会にあり、以前とは違い「静かな有事が進んでいる」とした。有事を「憂事」と置き換えても通じるところがあるが、ここは「有事」としよう。
 石破さんは「公共事業による日本再生はない」とした上、これまでの公共事業依存によって日本の基幹産業である農林水産業が「疎か」という表現をしたが衰退していることには落胆しており、日本200海里(EEZ)の日本の海洋面積は世界で6位、容積で4位にも拘らずピーク時の漁獲の半分以下になっていることには「(国などの)資源管理の間違い」とした。
 東京の一極集中には「消費だけの東京ありきの国家など存在できない」とし、今後の東京都民の老齢化が進むことでの国家としての綻びも憂慮していた。
 パネルディスカッションの最後の「役所は役に立つから役所であり不役所は要らない」との発言は〝お上嫌い〟の面目躍如であり、参会の稚内市民に対し「(日本創生を)一緒にやらせて下さい」との発言も好感を持った。
 石破大臣はその日の夜は稚内に泊まり、翌日は幌延の深地層研究施設、音威子府の高校を視察した。本当にポイントを外さない政治家である。