大幅な欠損が判明したのち平成24年度から経営改善計画を進めている稚内機船漁協の今年3月末の決算は約7千万円利益があった。昨年同期を1200万円以上増える好決算となり役職員一丸となった改善計画は順調に進んでいるようだ。
 「底引き稚内 」の名が天下に轟いた昭和40年代には実に60数隻の沖底漁船があり、第1副港は船もトラックも幾重に並び、仲通りは飲み歩く漁船員同士の肩がぶつかるほどで界隈の飲食店は繁盛したものだった。
 その業界も昭和52年のソ連200カイリ設定に伴う減船、更には昭和61年の第2次減船と追討ちをかけられ20隻、10隻、そして今では6隻まで減ってしまった。
 自ずと組合の運営も変遷を辿り、本来もっと先の段階で改善計画を策定しなければならなかった筈だが、風無体制となり歩を進めることになった。
 あれだけの栄華を誇った業界の立て直しは並大抵の苦労ではなかったろう。何せ船主ら関係者も仲々の兵がいる中にあって進捗できたのは役職員の頑張りもあろうが、業界全体としての危機感だったのだろう。
 しかし旧第2工場の処分も完全でなく、船も1隻なくなり、更には地球温暖化の影響もあるのだろうか、資源にも大きな変化が見られ往時の栄華をもう1度といっても儚いものであり、ここは現実に真正面に向き合い、コスト削減などしてやるしかなかろう。
 国の「もうかる漁業創設支援事業」など支援制度に乗っかった方策も大事で、思考を巡らした経営舵取りが今こそ求められている。