稚内信金の第71期(昨年4月~今年3月末)決算の内容が公表され、純利益は前期から2億6200万円減の10億6600万円となり、自己資本比率も前期から低下したとはいえ63・99%と、健全経営の指標をとんでもなく上回るレベルであり、さすがの好業績だったようだ。
 昨年亡くなった稚内信金中興の祖である井須孝誠理事長時代から将来の理事長と目された増田雅俊氏とは仕事上の付き合いしかなく肝胆相照らすことはないが、まずインタビューして感ずるのは頭の回転の速さである。その上に心臓病を患ったことなど身の上話も正直に話すのだから当方その人間性に魅了されてしまう。
 その増田理事長率いる稚内信金の強みは営業エリアでの預金占有率が8割を占める約4千億円、貸出金も55%占める892億円もあるということであり、法人含め地元の人たちに信頼されていることは地元密着型の営業を展開していることの証左といえ、今回の総代会での増田理事長の「地域経済を支える原資となる収益を確保すべく、引き続き努力を重ねて参りたい」との挨拶は増田さんの偽りない気持ちを吐露したものといえよう。
 今回の総代会で注目されたのは新たに常勤理事を2人増やしたことである。審査部長の辻井光雄氏(59)と旭川地区本部長の桑原潔氏(57)である。経営管理態勢を強化するためとしているが、役員に任命された2氏だけでなく他の50代、いや若い庫員の励みになるものであり、将来を見据えた人事には経営者の端くれとして見習うものがあった。