板子一枚下は地獄の漁師もきつい仕事だが朝から晩まで働き尽くめの農家は労力的には更に大変な仕事で、なり手不足の要因になっている。
 その中で稚内農協が20数年前から始めた酪農ヘルパー制が確実に成果を上げ、酪農家にとって今ではなくてはならない存在だ。
 乳牛の搾乳は一日いや一時も休めない仕事であり、以前は冠婚葬祭は別にし農家個々も自分たちの作業に追われ人助けどころでなかった。
 稚内農協では将来の酪農業発展にはサラリーマン並みとは言わずもある程度の農休日、家族旅行での休業が大切だとして酪農ヘルパー制度を設け現在に至るが、出役(利用)実績を見る限り浸透しており当初の期待以上の成果を上げている。
 総会で策定した出役計画を実績が下回ったのは平成18年度しかなく、平成22年度以降は毎年2000日を超え昨年度は2600日に迫ろうかという伸びを見せた。ヘルパーなくして宗谷酪農を語れないほど枢要な位置を占めるようになった。
 しかし、これだけ持て持てになるようになるとヘルパー要員の確保も難しくなっているようで、専任6人に加え補助5人の11人で賄っている状態にあるが、ヘルパーにとって過度な出役で負担も大きくなっており、利用組合では要員確保を喫緊の課題として挙げているところではある。
 酪農は、水産、観光と並ぶ稚内の基幹産業である。これ以上、深刻な後継者不足を招かないためにもヘルパー制度は要の組織作りといえ、従事者の給料引き上げ、矛盾はあるが休日も肝要になろう。