ノシャップにある岬神社が御鎮座183年を迎え、3年過ぎたが節目の180年を祝う神事が5日、執り行われた。
 来年、御鎮座120年を迎える稚内の総鎮守である北門神社より古い歴史がある岬神社は、江戸時代の天保初年、ノシャップ岬に差し掛かった弁財船が大シケに見舞われ止む無く投入した錨によって沈没することなく救われ、嵐が収まり錨を上げると重さ100㌔以上もある大きな石が上がり、宗谷岬方面まで大石を運んだところ一夜のうちにノシャップ岬に戻り網に乗網。更には翌日にも乗網したことから「大石は陸に上がりたいんだ」ということになり、〝神石〟の海の守り神として崇めるようになったのが起源といわれ今日に至っている。
 地区の漁師が氏子となり神社の大石を崇拝してきた歴史もあり、ノシャップ沿岸の海難事故は極端に少なく、ひいては稚内の沿岸漁業操業の安全にも寄与してきたといえよう。
 神社責任役員の安藤稚内漁協組合長が「これからも何百年も神社を残していく」と神事で挨拶したそうだ。組合員の高齢化が問題になっている中、この組合長の挨拶には稚内の沿岸漁業を次代に引き継いでいく―との気概を感じるものだった。
 稚内は海のマチだけに岬神社のよう漁民の安全操業と豊漁を願って建てられた神社の類があり、昔、今の稚内中学校向かいには金毘羅院もあった。
 漁業で栄えてきた稚内の歴史の証しともいえる神社仏閣には先祖の繁栄と辛苦が刻まれており、その縁に触れることで歴史の一端を窺い知ることできる。