地域経済の発展には交通網整備が欠かせない。北の果てにある稚内は東京、札幌との空路があり道路だって豊富、幌富バイパス、更喜苫内防雪工事によって旭川や札幌への時間的距離は縮まり、この方面からの物流増大によって卸売り業は壊滅的な打撃を受け、稚内から様々な産業の出先が姿を消している。
 交通が至便になり、それまで〝陸の孤島〟と化していた稚内には黒船が襲来し地元店を潰し、リストラを余儀なくされた人たちが職を求めて稚内を去って行く。
 稚内のこの20年を端的に表すとそういうことになるだろう。
 稚内商工会議所の部会で出た意見などまとめた資料を事務局から提供されたが、会員である経営者の皆さんは今後も事業拡大と稚内の発展を願う意見が多かった。それはそれでいいのだが、どうも一味足りない感想を持った。
 事業継続にはインフラ含め稚内の発展が不可欠なことは理解できる。将来展望は悪いことではないが、身の丈を越えたものはどうなのか。
 稚内市も人口減少問題を見据えた創生本部なるものを立ち上げたが、経営者として後ろ向きかも知れぬものの、問題点を一つ々々クリアした姿勢が必要なのでは。以前のような高成長時代は来ないとの発想である。
 会議所は昨年、稚内版地域戦略ビジョンを策定し、20~30年後の稚内の将来を模索する方向性を示したが、今年の部会から上がる意見を見る限り、どうもまだ右肩上がり志向が旺盛のような気がする。
 会社経営もだが、従業員が、市民が、ひいては稚内市全体が良い方向に行っているのか―足元をしっかり見て対処するべきでないのか。
 会議所の役割は大きいものがある。これまで以上に稚内市などと連携し役員・会員、職員一丸となった活動を期待するものです。
 これだけ経済が疲弊してくると風当たりも強くなるのを失念なく。