稚内市の新年度当初予算案概要が発表された。4年に1度の市長選が行われることから政策的・投資的経費など除く骨格予算のため一般会計は210億円と、昨年度当初から9・1%の21億円少ない予算規模となった。
 工藤市長曰く「身の丈に合った財政規模」という言葉をどこかで聞いたことがあると思っていたところ、その言葉は今任期限りで議員を引退する稲垣議員が定例議会のあとの市民向け報告会でよく述べていたことであり、副市長時代含め稲垣さんと侃々諤々の議論をしてきた工藤市長も背伸びした財政規模には疑問を持っていたという証しであり、筆者としては稚内市全体、市民のことを考えなければならない市長として評価するものであり、市の財政を熟知している工藤さんらしい予算編成ではあった。
 選挙のある年の次年度予算案は骨格予算になるのが通例だが、今回に限っては市長選が無風の雲行きにあるので当選が決まったあとの市長の予算肉付けに期待するところが大きい。
 予算案執行の方針も産業振興とインフラ整備、保健・医療・福祉、環境への取組みなど、どれも喫緊の課題を見据えたものばかりだが、定期航路存続含めた日ロ交流・交易に殊のほか予算を傾斜配分していることは多々配慮した結果であろう。
 工藤市長は定期航路に関して稚内だけの問題でない―との考えを滲ませる言葉を発している。国や道の協力は勿論だが当該自治体として対策を講じていかなければならず、今回の予算措置は必ずや国などに何らかの影響を与えるものと期待している。
 稚内市全体のことを思うと予算はどうしても総花的にならざるを得ないが、次代を担う子どもに関係する支援で積極性が見られ、災害や農地整備にも配慮していることは評価されよう。
 ただ基幹産業である水産業への取組みはホタテに頼り過ぎの向きがあり、もうちょっと予算を配分すべきだったのでは。