「コンクリートから人へ」が看板倒れに終わった民主党から自民党に政権が移行し2年余り経ち公共事業が増加傾向にある中、稚内開建の補正追加額が発表され、昨年度補正から23億円強も予算が減ってしまった。この代わりにゼロ国債予算が12億円ほど増えたが、ゼロ国債というのは新年度予算の前倒し、言い換えれば予算の先食いであり、数字上では辻褄合わせをしているようだが、先食いということは実質、新年度予算が減るということにも通じ、その功罪の判断は難しい。
 北海道など積雪寒冷地にあって冬季は勿論、春の融雪期の工事は少なく本格的にはGW明けからというパターンが長く続いていたが、この20年ほどは前年度補正、新年度当初の15カ月予算により融雪期でも切れ目ない工事発注が可能になった。
 これがゼロ国債予算の恩恵である。
 予算を年度ごとに分けてしまうと〝真水〟の補正追加額を削減されることは大きな懸念材料であるが、間断なき予算執行という命題のある15カ月予算によって、その懸念は払拭される格好となり、今回の稚内開建の補正予算は論議あるだろうが、宗谷管内の経済へのカンフル剤にはなろう。
 自民・公明の与党が衆・参両院とも多数を占める中、新年度予算の早期成立は何ら問題なく、稚内開建の当初事業費も4月上旬には公表されるだろうが、100億円割らないようしてもらいたいものだ。
 因みに本年度当初は103億1000万円、昨年度当初は99億4500万円だった。
 稚内地方では余りないが全国的には数十年前の道路や橋、港湾などの更新時期にある中、老朽化による損傷なら未だしも崩壊などという人命に係わる問題も発生しており、その老朽化対策として人命の安心・安全の観点からも応分な予算計上をお願いしたい。
 何か起きてからは遅いので、その前に対策を講じるのが予算の有効な使い道であろう。