増幌産珪藻土に調湿・消臭機能のほかに室内の温度を均一化する効用があることが分かり、稚内市と実証実験に携わった東京や横浜、稚内の3社が特許庁に特許の出願をした。1年間ほど全国的に同種の機能を有する商品の有無―など確認する公開を経て、特許として認められる運びにあるようだ。
 稚内グリーンファクトリー社(渡辺義範社長)が所有する増幌地区から産出される珪藻土は最初アトピー性皮膚炎に効用あることが分かり、それを契機に調湿や消臭機能を有する自然素材として大手住宅メーカー「パナホーム」の壁材として使われ、バスマットやコースターなど生活用品にも用途が広がり、環境に優しいエコ素材として引っ張りだこにあるのだが、それらの効果に加え室内の温度を均一化する機能が新たに分かった。
 冷気は部屋の下部に溜り暖気は上部に溜る特性があるため、これまでは室内をかくはんするのにエアコンや扇風機、サーキュレーターを用い強制的に空気を動かしてきたが、壁に塗布され自然に均一化するというのだから驚くべき機能である。珪藻土から特別な遠赤外線が放射されているためなのだそうだ。
 稚内市が、わっかない産業クラスター研究会(富田伸司会長)などと共に増幌産珪藻土の用途開発・研究に向けた取り組みを展開する中で実証したものであり、これだけの〝宝の土〟である珪藻土には更には用途が「あるやも、あるだろう、あるに違いない」という発想による成果であり、関係者の努力は称賛に値するものがある。
 視点を変えるだけとは言わないが、ちょっとした取組み方の違いにより特許という、製品にとって最高の価値が付与されるのだから本当に世の中何が宝か分からない。
 このように既存のものの新しい機能はもとより大事だが、稚内の経済にとって起爆剤になるような新しい生産や商品が出て来ぬか―と夢想するのは筆者だけであるまい。