人誰しも一様な人生はなく、幸せなことより不幸せな方が期間にして長いかもしれない。
 読者コーナーにと投稿されたS・Yさんのハガキを拝見し、その思いを強くしました。
 Yさんの御主人は3番目の男子して生まれたが生後間もなく養子に出され、Yさんと結婚してからも実母から干渉された中、お子さんを妊娠した時には「随分、運の悪い子を産むんだね」などと散々言われたそうだ。
 2人の兄の出世の妨げになるとして実家への出入りも禁止されるなどした苦労が綴られており、最後に「自分の産んだ子は自分で育て愛情いっぱい育てていってほしいものです」と、養子に出された御主人の境遇を嘆いておられ、筆者も胸を打たれました。
 人それぞれ他人に言えないような辛酸を舐めることがあり、恐らく高齢の人なのだろうが、読者コーナーまでその秘密を漠然とは言いながら綴ってくるのは容易ならぬ心情だとお察し、その労苦に思いを巡らす時、目頭が熱くなるのを感じたものでした。
 子沢山だった昔は何人か養子に出されるというのは少ないことでなく、筆者も道路挟んだ向かい側の家の女の子が養子に行ったとの話を後から聞き子供心に何か胸に去来するものがあったのを覚えている。
 今では精々子供2人の家庭が多いが、これとて父母が離婚するなどして養育不能となり祖父母のいない子供たちは養護施設で過ごすことも有ると聞くと、少子化ながら不幸な子供もいることは残念でならない。
 人間万事塞翁が馬とは言うが、大人になってからの苦労は未だしも子供時分の試練は今、孫を持つ年代となり可哀想でならない。
 新年になり交礼会などに出席させてもらう中、華やかさの陰にどれほど泣いている人たちがいることか。為政する人たちは裸の王様にならず、心地良くない話にもしっかり耳を傾けなければならない。ふと思った。