日本とロシアとの活カニ密輸防止協定発効による稚内港への影響は大きく、発効した今月10日以降の入港船は僅か4隻に止まっている。
 一時、サハリン周辺のカニは無尽蔵ではないか-と言われたことがあったが、さすがにこの数年は往時から見ると減っていたものの、協定締結の話が出てきた一昨年には駆け込みと見られる毎月1000㌧以上もの活カニ輸入があった。
 その後、稚内などでの業者などに対する説明会が数回開かれ、パブリックコメントも数度募集されるなど遅々とした状況で駆け込みと見られる輸入増は収まっていたところ、いよいよ発効間近しということで今年8月から輸入量が再び増え、10月にはこの2年間で昨年5月の763㌧と肩を並べる762㌧まで増えていた。
 はっきり言ってこれだけ減ると輸入業者ばかりでなく、運輸、給油など関係する業種の痛手は半端でなかろう。ロシア人船員の上陸も当然激減しているので小売や飲食にも影響が出ており、稚内の経済への影響も大きいようだ。
 業界によっては将来を見据え減量経営の方針を決めたところもあり、輸入カニ減少は今後、各所で現出してくるだろうから最悪の場合、倒産ということも出てくるやもしれない。
 全国的に稚内は「カニの街」として知られ、敦賀市長の時代には観光客1人々々にカニを提供する大盤振る舞いをしたこともあるが、今回の日ロ両国、とりわけロシア側は本気であり、稚内の関係業者は甘い考えを持たない方がよかろう。勿論ないだろうが。
 この輸入減で懸念されるのは人口減である。工場などが縮小され余剰人員が辞める破目になり、職を求めて地方に転出することからである。
 市などは適切に対応し新たな就職への手助けするべきであろう。
 以前より従事者は減っているとはいえ一つの産業が消えようとする衝撃は小さくない。