本紙の年内発行も残り数日となった。今年は社内的にはさほど変わったことはなく、市政も工藤市長の1期目集大成の年として安定し、経済の方は観光の低調はあったが沿岸、沖合とも漁業は堅調で秋口以降に日ロ定期航路問題が浮上し、更には先日、稚内をけん引してきた井須孝誠さんが亡くなるという訃報はあったが、先ず先ずの1年だったといえようか。
 一時代といえば筆者を含め昭和29年生まれが還暦となり来年春には定年退職の時を迎える。我々が子供だった頃の「60歳」の印象は正に爺、婆であった。自分たちがその年になったから言う訳ではないものの、今の60歳は「まだまだ意気軒昂であり」と言いたいところだが、人の名前はよく忘れ、普段食べているもの、よく行く所も「あれよ、あそこよ」などと澱むことがある。
 このような現象も日常の何気ない会話であればいいのだが、公けな席での挨拶や文章を書いている時の忘却は始末が悪く、ほとほと困ってしまう経験をした人もいるであろう。
 健在な筆者の母に「まだ若いくせに」と一喝されそうだが、そういうことでは今のお年寄りたちの軒昂なこと。負けてしまいます。
 最近では70代の高齢の男性が交際相手を求める広告を本紙などに掲載し話題となっているが、人生は1回しかないのだから善しとしてもいいのではなかろうか。
 生活に窮々としていれば決して安くない広告料を出すこともできないだろうし、今の高齢者層の一面を窺わせることではあるが、他方、高齢者の万引きが増えているとのことであり、どの世代でも幾様のレベルにあることを今更ながら知る機会にはなった。
 お正月まで10日となりつらつら思うことは日が経つのが速いということと、仕事でも個人的にも何もない日はなく、そうこうして死んでいくのかという諦念である。悔いのないように―と教えられるもそれが難しい。