この人のサハリン貿易への気概は半端でない。平成9年から独自ルートで玉ネギやリンゴなどサハリンに輸出しているホクユーストアー社長の吉川勝さんである。
 18日午後、稚内地方合同庁舎で稚内開建主催の「地域づくり勉強会」が開かれ、行政頼りのあり方に疑問を呈し本領を発揮した。
 以前は食料品スーパーを手広くやっていたが、時代の変化を先取りし逸早く平成9年からサハリン州に、玉ネギを手始めにしリンゴ、そしてスイカやメロン、マグロやハマチまで輸出している吉川さんにとってリスクない事業は有り得ないことであり、ユジノサハリンスクで開かれた道北物産展出展業者の「行政から頼まれたので今回は出展したが儲けるつもりはなく、その損失分は行政がカバーしてくれるので」などとの言葉に怒りを通り越して呆れてしまったという。
 苦労しながら地道にロシア貿易を開拓・拡大してきた吉川さんならではの思い入れであり「サハリンは宝の山と言われるが、行政におんぶに抱っこでは駄目であり宝の山を掘り当てるには自らスコップを持たなければ」という主張には聞いていてサハリン交易第一人者としての誇りも感じたものだった。
 稚内開建は当初、この勉強会を冒頭の頭取りだけとし中味の取材は許可しなかったが、筆者だけでなく他の社の記者も文句を言った結果、許すことにした。このような講演で記者をシャットアウトしようとした姿勢はこれからも是認できるものでなく、もっとオープンにするべきだ。
 自分たちの都合のよい情報だけをオープンにし他は秘匿するなどというのは警察などにもあることで特定秘密保護法施行はあるだろうが、積極的な情報開示に努めるべきであろう。
 また横道に逸れてしまったが、吉川さんは職人さんの世界でいえば「いぶし銀」であり、稚内にこういう人がいることを誇りたいものである。