井須氏

 稚内市名誉市民の井須孝誠氏(81)が18日午前3時3分、入院先のJR札幌病院で死去した。肺がんとの診断で3カ月余りに亘って治療してきたが、薬石効なく波乱の人生に幕を閉じた。
 井須氏は昭和8年5月11日、稚内市に生まれ、同25年4月、稚内信金前身の稚内信用組合に入り同43年常勤理事となり49年常務理事、53年専務理事となり、昭和58年~平成16年6月10日まで理事長として稚内信金を道内だけでなく全国にも冠たる信用金庫にし、その後会長、そして最高顧問として陰に陽に増田理事長を補佐してきた。
 稚内商工会議所では常議員を経て平成13年11月~22年10月末まで会頭を務め、平成18年には老朽化していた会議所建物(経済センター)を改築するなど卓越した指導力で低迷する稚内経済の底上げを図るなどした。
 公職も多く、平成12年には公安委員を経て旭川方面公安委員長に就任(14年7月まで)、同13年9月には国交省国土審議会特別委員(24年2月まで)、同14年には稚内市都市計画審議会長(26年3月まで)、同16年には稚内市地方港湾審議会長(現在まで)に就任し金融など経済だけでなく稚内市全般に寄与した傑人であった。
 葬儀は親族だけで20日午後6時から通夜、21日午前9時から葬儀式を営む。場所は円楽寺(札幌市清田区北野3条5-28-43)。喪主は妻かをるさん。
 稚内市による追悼の会は来年1月中旬にも執り行う予定で準備を進めている。
 井須氏の死去に当たり工藤市長は「稚内市の名誉市民である井須孝誠様の訃報に接し、大きな驚きと痛恨の念に堪えません。井須様は、稚内信用金庫最高顧問として、さらには稚内商工会議所名誉会頭など数々の要職を歴任され、卓越した識見と非凡な経営手腕を発揮し、地域金融の振興と地元経済発展の基盤づくりに多大な貢献をされました。これからも、さらに御指導頂きたく思っておりました矢先、只々残念でなりません。本市経済界の発展のために残されました、その大きな足跡を顧みますとき、語り尽くせぬものがあります。ご家族のご心痛をお察し申し上げますとともに、在りし日を偲び心からご冥福をお祈りいたします」との談話を発表。
 また中田商工会議所会頭は「突然の訃報に接し失ったものの大きさに衝撃を受けております。加療されていることをお聞きし必ず全快されるものと心から念じていたところであります。第5代会頭として地域経済の振興に尽力され、宗谷経済センター建設には信金会長として多額の浄財を寄付して頂きました。経済だけでなく市勢の発展にも多くの功績を残し、稚内市名誉市民、旭日小綬章、黄綬褒章はじめ多くの栄に浴されるなど、規格外の大人物であり、私どもの永遠の目標とする方でありました」などと井須氏を偲んでコメントを寄せた。