今をときめくテニスの錦織圭選手の故郷である島根県浜田市から講師を招いた国際貿易セミナーが開かれ臨場した。三和重機稚内の藤原社長が会長の稚内港利用促進連絡会議が主催したのだが、講師のウラジオストクとの貿易に携わる会社の高橋克弘社長の話が明瞭で分かりやすく、最後に稚内が対サハリン・ロシア交易で「お手伝いすることがあれば協調したい」などとちゃっかりPRするところも人間的には嫌いでなく小1時間の講演を堪能した。
 高橋さんの話を聞いて痛感したのは最後まで諦めるなということであり、筆者の人生観にも通じ大いに納得した。
 ロシア連邦をモスクワを中心とした西ロシアとウラル山脈から東方のシベリア、極東など東ロシアに分けた独特の感性からの貿易への意欲は止まることなく、ウラジオストクなど東ロシアからモスクワへの「SEA&RAIL」(船と鉄道)の一貫輸送でモスクワへの進出も試験的にやっているところからは相当な野心家、いや事業家であることも分かり、稚内を見る目もかなり客観的で大いに参考になった。
 この方、さすがにポイントを的確に捉えており稚内の水産物に関しては日本ばかりでなく貿易でも十分に通用するとして、その水産物から派生するクラスター構想にも言及していたのは識見豊かであり、事業に成功する人は鋭いものがあるとの思いも改めてした。
 日ロ定期航路の利用に関しても今ある貨物を座して待つ方式でなく、自ら打って出て貨物を集めるという、リスクは生じるだろうが積極的な姿勢には我が意を得たりの心境であった。
 その貨物を取るには日本のてっぺんにあるという短所、サハリンに近いという長所との相関もあるが、「コストを安くし貨物を取る」という価格勝負の考え方はセールスの場合に必要最低限なことであり、地域として商社を作り取り組むという姿勢も既成観念を打破するものだった。