サケの高値が続いており宗谷管内の今年の水揚げ高が41億円を超え、これまで最高の昭和63年の40億500万円という記録を更新した。漁期を1カ月残した10月末の集計なのでどこまで伸びるか漁師は期待に胸を膨らませていることだろう。
 道漁連稚内支店によると、秋サケ定置網漁は今年の当初、昨年高騰したイクラの販売不振もありメスに関しては「冷静な値決め」でスタートし目論み通りメス価格は平穏に推移した。これに対しオスはアラスカやロシア産マスなどの水揚げ、在庫とも少ないことの影響が直撃しスタートから高値基調であった。
 サケ類は紅、時、ピンク(マス)そしてサーモン含め世界的に在庫が減っており、中でも富裕層が格段に増えている中国での消費増もあり引き合いが強く、目下の為替相場の円安もあって日本からの輸出は結構な高値を付け価格が上がっている。定置網漁が始まった当初安かったメスもここに来て上昇して来ており、宗谷での史上最高金額という事態を生んでいる。
 10年ほど前の平成15年には数量も134万匹と少なかったものの、10億円を切る9億7500万円と散々だった宗谷管内のサケ定置網漁も21年からは毎日のよう25億円を超えるようになり、昨年は39億7400万円と、大台40億円まであと一歩のところまで漕ぎ着けていた。
 現在の状況は世界的なサケ・マス不足から招来したものであり、中国など新興国の人口増と発展が止まる様子がない中、来年以降も高値安定は続きそうである。
 40年ほど前だったか、魚介の不漁で廃業寸前まで追い込まれ漁師がサケ一起こしで正に「千両」の水揚げで財を残したということがあり、筆者が若かりし頃、正月号の年賀広告の営業に出掛けた時、腹巻の中にあった万札の束から広告料をもらったことがあった。その家にはエレベーターもあり、後に語り種とさせて頂いたものだ。漁業は水ものの一端である。