時の話題「へこたれるな」

 数日前、本紙に宮城県岩沼市の建設会社からの重機やダンプ運転手の募集広告が載っていた。「復興工事の仕事有ります」との広告だったが、未だ東日本大震災被災地の復興が立ち遅れているとの思いと共に、岩沼市といえば被災した地域住民が自ら話し合いし集団移転した所であり、その過程をテレビ(NHK)で見たこともあり、そのうち小欄のテーマにしようとした矢先のことでもあり、その縁というか奇遇を感じたところだった。
 東北の被災した自治体では津波が来ても被害を回避できる陸地での、それも嵩上げ含め高台での集団移転を計画しているが現状はというと、あの大津波から3年7カ月も経つというのに遅々としている。
 被災し別の土地での避難生活を余儀なくされた人の中には移住した場所で家を建てたりしている家族もあり、集団移転といっても利害もあり、老若ゆえの考え方の違い等々、役所の計画通りにならないケースが多いようだ。
 国などの助成はあるものの、家1軒建てるというのは大変なことであり夫々事情があるので思うように進まないのは自然なのだが、テレビにあった岩沼市の人たちは百回以上にも及んだ意見交換の場を足掛かりに、お年寄りや子供たちも憩える場所を造ることなど前提に烏合の衆の集まりとせず移転をやり遂げた努力というのは称賛に値するものである。
 人が集まり議論を交わす時には得てしてエゴがぶつかり合い、岩沼の人たちも最初のうちは建設的な、次代のための前向きな意見が出てはかき消され、それでは―との繰り返しであったろう。
 何がこの地区の住民が集団移転という難事をなし遂げたかというと「へこたれてなるものか」という必死な気持ちなのではなかったか。
 この様子を見る時に感じたのは「稚内は災害も少なく良い所だな」ということで、暮らしが大変でも弱音を吐いたら罰が当たるということか。

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