戦後、いや戦前から日本企業では当たり前の年功序列はIT企業など新興企業によって崩れようとしている中、大企業の一角を占める日立が年功序列の完全廃止を決めたという。
 ある意味、日本の企業の特質でもあった年が経てば自ずと地位も上がり準じて給料も上がる年功序列制度は、従業員にとってこれまでは至極当然であり、会社側としても社内に変な摩擦を生まず高度成長時代を含め日本経済が順調であった時には社内の安定にもなり労資とも有難いものだったであったろう。
 しかし、失われた10年もしくは20年で日本の景気が減退する中、冒頭述べたようIT関連企業の台頭もあって、これまでの給与や人事では立ち行かなくなってきているという現実に背中を押されての年功序列廃止なのだろうが、遅きに失していると論評しなければならない。
 何を今さらの感を強くした決定であり、反面、大企業である日立という会社の懊悩も感じた。
 M&A(企業の合併・買収)が茶飯事となり企業という垣根を越えた社長人事など活発化する中、日本企業の伝統ともいえた終身雇用や年功序列はグローバルな現代にあってはメリットが薄れるばかりであり時代の要請に応じたことなのだろう。
 翻って稚内を見ると大方が小社含め零細企業であり、大都会のような従業員の動きが少なく終身雇用に近い形態にある。20年、30年、40年勤める人はざらにおり、転職といっても就労先が少なく、同じ会社に骨を埋めるという人達が多い。
 年功序列廃止するといってもおいそれとできるものではないが、能力主義での人事はあることであり、ウェット(年功序列)とドライ(能力主義)の2本立てで経営していくしかないのか。
 能力主義といっても飛び抜けた人材は都会に持っていかれる傾向があり、年功序列廃止といってもそう簡単に実行できない現状にあるのが小都市の企業の悩みである。