時の話題「お盆の週に」

 今週はお盆の週であり墓参りで帰省する人達も多いことであろう。故郷というのは己が人生の原点で忘れようとしても忘れられない場所であり、人生の節目々々でつっかえ棒の役割を少なくとも筆者の中では果たしてきた。
 生まれた紋別には15日に毎年墓参りし、父方の弟妹ら家族と年1回会い近況など話し、今は廃線でなくなった紋別駅近くにある優に100年の歴史があるという「勝山」という蕎麦屋でソバを食べ、稚内の石崎商店のように美味な「小林商店」でカマボコを買って日帰りで稚内に戻る。
 父が生前中は2人で行っていたのだが、他界して以降は妻と出掛けており、最近は孫も一緒に出紋するようになった。紋別に居る時間は僅か3時間ほどなのだが、線香に火を点け手を合わせることで、この1年の務めを果たせた気持ちになる。
 生まれてから小学校入学前まで住んでいた紋別も稚内同様、街並みは変貌しており、市街地を迂回し通るバイパス沿道には地方からの大資本店が軒を連ね地場の店舗を駆逐しており全国津々浦々と変わらぬ光景を現出している。
 過疎化は進展し今の人口は2万数千人か。水産のマチであり、産業の凋落が人口減に拍車を掛けており、新たな産業を―と模索するも起爆剤になる産業の育成にまで行かず着実に衰退しているというところだ。
 筆者にとって稚内と紋別は故郷なのだが同じような変遷を辿っており、分かった風に言えば「これが地方都市のありようなのか」という諦念も生まれて来る。
 今の我々の時代の、次の世代にはどうなっていることか。少なくとも息子2人は紋別への墓参りはしないであろう。
 普段、紙面で大所高所からの判断が必要―など偉そうなことを書いているが、実際は身近なことに思いが行ってしまう。
 思うに人間というのは家族のことを第一義に、他は付け足しのようなのかも知れない。

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