時の話題「老・老介護」

 「倒れたら見てやるからな」「それは逆の話でしょ」。きのう朝、妻と交わした言葉である。NHKで老・老介護の報道をしており、将来間違いなく起きるであろうことに60歳前後の夫婦が反応した一こまである。
 その報道では80代の夫が介護する妻を危(あや)めてしまう事件の例を挙げ、傍目には「そんなことはあり得ない」とは今思うが、自分がその立場になり絶対ないこととは言えないと思った。
 生まれた時から人間の運命は決まっている。それは棺桶の中に入るということであり、その過程の中で自分だけでなく父母や連れ合いが病気やケガ、はたまた認知症で介護することもあるであろう。
 若いうちなら未だしも互いに70代半ばを超える老齢夫婦であれば介護する側は大変だろう。とりわけ男性側は仕事中心に子育てなどに関わってこなかった人が大半だろうから苦労たるや半端なものでなく、魔が差すこともあるやも知れない。
 家族が多くお金もある人は有料の施設に入れ面倒を見ることができるのだが、息子・娘は都会におり夫婦だけで生活している家庭が増えており本当に人生の終幕は悩ましい限りである。
 稚内にあっては幸い不幸な事件などないが、何時起きても不思議なことではなく、市などは抜かりない対応に努めることが肝要だ。
 冒頭の私達夫婦の会話は別として夫婦には様々な事情があり、これまで邪険にされてきた妻側にしてみれば江戸の敵を長崎で式の事もあろう。我々は切羽詰まっているが若い夫婦の夫は妻を大事した方が宜しいようで。
 それにしても人生というのは早い。一時の悩みや嬉しさなどあっという間に過ぎ去り記憶からも消え去ろうとしている。それだけに最終盤くらいは人間らしく、そして幸せにと願うのだが、その反対になることが間々ある。
 何事にも動ぜず―というが年を取ると臆病になっていく。

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